ピナイサーラ

ピナイサーラ

 落差約55メートルの沖縄県最大の垂直な滝。船浦湾の海中道路から遠望できます。“ピナイ”が“ひげ”で“サーラ”が“滝”という意味で、遠望すれば老人の長いあごひげのように見えることからこの名があります。“ピナイサーラの滝”と呼ばれることもありますが、意味を考えてみると“ひげ滝の滝”ということになるのでこの表現は適当ではありません。また、“ヒナイサーラ”とも呼ばれることがありますが、八重山語には元来Hの子音はなく、大和語におけるHの音は八重山語ではP音に転化している(例:人→ピトゥ、鳩→パトゥ)ため、これは大和語風の発音に直したものと思われます。従って、この滝の呼称は“ピナイサーラ”が正しいということになります(ピナイ滝という言い方も正当)。
 この滝へのアクセスには三つの方法があります。まず、船浦の海中道路からエントリーしてマングローブ林やジャングルの中をひたすら歩くというtraditionalでprimitiveな方法。次に最近特にさかんになっているカヌーを利用する方法。そして年配の方や体力のない方向けの遊覧船を利用する方法です。ちなみにあとのふたつの場合でも遡上限界点から滝までは山道を15分程度歩かねばなりません。滝の上、下ともに山道はわかりやすく、時間があれば是非両方とも行ってみたいものです。天気のいい日には滝の上からの眺望はすばらしく、鳩離島、バラス島、鳩間島が一望に見渡せます。滝壺はちょっとしたプール状になっていて泳ぐことも可能ですが、水中に大きな岩があるので注意することと、滝壺の中にはヨシノボリ(ハゼ)、テナガエビ、フネアマガイなどの先住者がいるので、最近流行のエコツアーの立場からするとそのような生物たちにも気配りをするのが自然にやさしい観光というものでしょう。


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