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殻長(かくちょう) |
二枚貝で、殻の前端から後端までで最も長い直線距離。笠型の貝では殻の前後で最も長い直線距離。巻貝の場合は殻長という項目はないが、殻高のことを殻長とする場合もある。 |
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殻径(かくけい) |
巻貝で、正面から見たときに左右の幅で最も長い距離。笠型の貝では殻の左右で最も長い直線距離。なお、長い棘(きょく)や突起を持つ種の場合はこれらの長さは通常含まない。 |
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殻高(かくこう) |
二枚貝および巻貝で、殻の上端(通常殻頂)から下端まででいちばん長い直線距離。なお、巻貝で長い水管溝や突起を持つ種の場合は、これらの長さは通常含まない。滑層が殻頂を超えて発達する場合でも、殻高は通常殻の下端から殻頂までの距離である。 |
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殻幅(かくふく) |
二枚貝で、両殻を合わせたときの殻の厚みで最も大きい幅。巻貝では殻を側面から見たとき最も大きい幅。 |
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螺塔(らとう) |
巻貝の殻は、基本的に一本の管がある軸のまわりに巻いたものである。この管を螺管(らかん)といい、殻を正面から見たときの螺管の重なりを螺層(らそう)という。螺塔は、殻口より上の高くそびえる螺層のことをいい、厳密には次体層から殻頂までの部分である。 |
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縫合部(ほうごうぶ) |
ある螺層と次の螺層の合わせ目の部分をいう。 |
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体層(たいそう) |
巻貝の螺層で最後の一巻きのことをいう。多くの巻貝では体層が殻の表面積の大部分を占める。通常、軟体部の大部分がここに位置するために体層と呼ばれる。 |
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次体層(じたいそう) |
体層のすぐ上の螺層のこと。 |
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肩(かた) |
巻貝の体層で最も横に張り出していて、正面から見ると角ばっている部分。イモガイ科やイトマキボラ科の多くでは顕著に肩が張る。肩の角の部分を肩角(けんかく)ともいう。 |
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殻頂(かくちょう) |
巻貝では螺塔の頂上部で、螺管の始点である。二枚貝では通常殻の最上端で、殻の成長の起点。 |
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殻口(かくこう) |
巻貝の螺管の終端で、外に向かって開いた口。種によって実に様々な形状となる。ここから軟体部が外に出る。 |
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軸芯(じくしん) |
螺管が巻くときの軸となる中心線。内唇の内壁や水管溝などが軸芯上にある。 |
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内唇(ないしん) |
巻貝の殻口で、軸芯側の部分。 |
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外唇(がいしん) |
巻貝の殻口で内唇と逆側の部分。殻口の外縁で、体層の終端にあたる。 |
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滑層(かっそう) |
巻貝で、主に殻口内唇に形成される非常に光沢があって滑らかな層のこと。種によっては螺塔全体が滑層で覆われたり、外唇まで滑層が発達する種もある。 |
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水管溝(すいかんこう) |
巻貝のうち、進化的な貝類では殻口の下端(前端)に管状の溝が形成され、ここに入水管が入る。この溝を水管溝といい、種によっては水管溝が棒状に非常に長く伸びる。 |
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後水溝(こうすいこう) |
後溝ともいう。水管溝と同じような溝が殻口の上部(後部)にも形成される種があり、オキニシ科などで顕著である。 |
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繃帯(ほうたい) |
巻貝で、殻底部の軸芯のまわりに形成される隆起帯。 |
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臍孔(さいこう) |
音読みにすると臍孔(へそあな)。巻貝で螺管が螺旋状に成長していく過程でその中心に生じる間隙の穴。種によって大きいものや狭いもの、あるいは完全に塞がれる場合もある。 |
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蓋(ふた) |
巻貝で、軟体部の足の背面にあり、通常は軟体部を殻内に引っ込めたときにちょうど殻口を塞ぐ構造になっているが、蓋が殻口よりもはるかに小さくて退化している種もある。革質のものが多いが、サザエ科のように厚い石灰質のものもある。同心円型、多旋型、少旋型、あるいはスイショウガイ科やイモガイ科の蓋のように縦に長いものもある。 |
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螺肋(らろく) |
巻貝で、螺管の成長の方向に生じる顕著な畝(うね)状の隆起線。微弱な場合は螺条(らじょう)とも呼ばれる。 |
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螺溝(らこう) |
螺肋と螺肋の間にある溝。 |
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縦肋(じゅうろく) |
螺層に垂直に生じる顕著な畝(うね)状の隆起線。通常規則的に並ぶが、種によっては不規則に並ぶものもある。 |
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縦張肋(じゅうちょうろく) |
通常の縦肋よりもはるかに顕著で、広い間隔で出る螺層に垂直な隆起。オキニシ科では180度ごと、フジツガイ科では180度または270度ごと、アクキガイ科では120度ごと、トウカムリ科では不規則に出る。縦張肋ができると殻の成長は一旦停止し、また、次の縦張肋までの殻の成長は迅速である。 |
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放射肋(ほうしゃろく) |
二枚貝で、殻頂から放射状に広がる顕著な畝(うね)状の隆起線。笠型の腹足類でも放射肋を持つものもある。 |
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成長肋(せいちょうろく) |
成長脈(せいちょうみゃく)、輪肋(りんろく)ともいう。二枚貝で、殻の成長の方向に同心円状に形成される顕著な畝(うね)状の隆起線。 |
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結節(けっせつ) |
殻の表面にある鋭い隆起。巻貝ではしばしば肩や螺肋上に列をなす。 |
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棘(きょく) |
長いとげ状の突起。顕著な場合を「棘が強い」と表現する。 |
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指状突起(しじょうとっき) |
棘よりさらに顕著な太い突起で、スイショウガイ科のクモガイ亜科やスイジガイ亜科などの貝にみられる。 |
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顆粒(かりゅう) |
殻の表面にある粒状の小さな隆起。 |
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歯(は) |
殻口の内唇あるいは外唇にある結節状の突起物。 |
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鱗片状突起(りんぺんじょうとっき) |
殻の表面にある細かいうろこ状の突起物。 |
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稜角(りょうかく) |
殻の表面が顕著に角ばった部分。 |
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翼耳(よくじ) |
イタヤガイ科、ウグイスガイ科、ツキヒガイ科、ウミギクガイ科などの二枚貝にある、殻頂の両側に張り出す突起。殻頂より前方のものを前耳(ぜんじ)、後方のものを後耳(こうじ)という。 |
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翼耳径(よくじけい) |
前耳の前端から後耳の後端までの直線距離。 |
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靱帯(じんたい) |
二枚貝の左右の殻を結合しているちょうつがいの部分。殻の外側にある種と内側にある種がある。 |
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月面(げつめん) |
小月面ともいう。二枚貝で、左右の殻を合わせたときに殻頂の前にみられる類円形のくぼみ。 |
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色帯(しきたい) |
殻の表面にある帯状の模様。 |
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放射彩(ほうしゃさい) |
二枚貝で、殻頂から放射状に走る色帯。 |